パーキンソン病
更新日:1月23日
皆さんこんにちは!
今回は難病にも指定されている「パーキンソン病」について、過去や現在施術中の患者さんの症例も紹介しながらお話したいと思います。
まずは、パーキンソン病の主な症状と原因
運動器系
・手足の震え(振戦)
・筋肉のこわばり(筋固縮)
・動作の緩慢(無動)
・突進歩行(自分の意志では止まれずつんのめるように前かがみで小走りしてしまう)
自律神経系
・便秘
・発汗
・手足の冷え(血行不良による)
・排尿障害
・むくみ
精神症状
・自発性の低下
・抑うつ気分
・不眠
パーキンソン病の原因は
脳内の黒質という部分の神経細胞の変性と言われています。
ここで作られるドーパミンという神経間の情報伝達に必要な物質が生産不足になることで、脳からの信号がうまく伝わらず、全身の症状が出てきます。
黒質が変性してしまう原因はいまだ分かっていません。
なので、現代の医療では不足しているドーパミンを薬などで補ってあげることが中心になっています。
これが、西洋医学(現代)の治療の考え方です。
では、ここからは東洋医学です。
まず、『腎』
東洋医学では「脳」は『腎』と深く繋がっていると言います。
腎は蔵精と呼ばれ、精を貯蔵しています。(※精は生命力の根源である原気をもたらします)
腎が蓄えている精が髄を生み、その髄が脳を栄養するとされています。
なので、腎の働きが弱まれば脳への栄養も不足し、脳が空っぽになってしまいます。
そのため、パーキンソン病だけでなく様々な脳神経疾患には腎の働きが深く関わっていると考えられています。
パーキンソン病や認知症などがシニア世代から多くなってくるのは、こういうことも関係してきているということですね。
もちろん、例外はいくらでもありますが、、、
さて、次にあげたい五臓は『肝』
肝は血を蔵し、身体各部の血流量を活動状況に応じて調節します。
そして、気や血の流れを円滑に、かつのびやかにする働きがあります。
パーキンソン病の特徴的な症状の一つ、「四肢の振戦」(手足が勝手に震える)
この症状は肝の機能が低下して、起こると考えます。
さらに、肝の機能の低下からくる症状としては、手足の冷えがあります。
どちらも、手先足先まで十分に気血(栄養)が行かず、震えや冷えの症状を引き起こします。
最後に、「筋肉のこわばり」に関係してくるのは『脾』
脾は肌肉(筋肉)を司ります。営気(後天の精)を蔵し、血と共に全身に栄養を与えて活力のもととなります。
この脾の機能が低下することにより、筋肉に栄養が十分に行かず筋肉のこわばり、動作が緩慢になり、痩せてしまうと考えられています。
症状別・五臓の働き別に見ていくとこんな感じです。
ただ、全身はもちろん繋がっています。
全身を流れる経絡も各臓器の名前はついていますが、それぞれが1本で完結しているわけではありません。
それぞれの経絡が連絡し合って、全身を巡っています。
ですので、どこかで不具合が起こればどんどん他にも影響を与えてしまいます。
根本にアプローチしながらも、細かな所まで対処しながら施術を行っていけると良いでしょう。
それでは、症例を2つ簡単に紹介します。
≪症例1≫
50代男性。日常生活に支障あり。
主な症状:手足の震え・動作緩慢・無表情・突進歩行・筋肉のこわばり・発汗など
施術(東洋):鍼・灸・フットケア・全身ボディケア・運動療法・漢方薬
(西洋):投薬
期間、頻度:約3か月。ほぼ毎日。現在施術は終了。
施術後:すべての症状に軽減がみられた。動作緩慢は多少残るが、日常生活に支障が出るほ
どではなくなった。
印象的だったのは、ある時から、笑顔が見られるようになったことでした。
≪症例2≫
60代男性。発症(診断)~1,2年経過。
主な症状:腰痛・動作緩慢・体重減少・頻尿・筋肉のこわばり・手の震え・身体の傾き(左肩が下がる)・姿勢不良など
施術(東洋):鍼・灸・全身ボディケア
(西洋):投薬
期間、頻度:週1回。現在通院中。
施術状況:初回の施術後、自転車のこぎ始めのふらつき感の改善。病院での診察時、表情の
改善を主治医に指摘された。約1か月経って、動作の改善がみられる(自覚あり)。腰痛の緩和も実感し始める。今後も東洋、西洋ともに継続し経過を見ていく予定です。
パーキンソン病は進行性の病気です。
西洋医学の治療(投薬など)で症状を抑えつつ、東洋医学で全身の流れを良くしたり、マッサージなどでこわばりなどのケアをしてあげる。
それぞれがそれぞれに良い所があります。
それを組み合わせた時にこそ、本当の意味で患者さんの求める治療が完成すると思います。
今回のパーキンソン病に限らず、
「西洋の対症療法」「東洋の全身(内側から良くする)施術」両方の良い所取りしちゃってください!!
現在、施術中の患者さんに関しては、今後も症状を診ながらブログにて皆さんにお伝えしていきたいと思います。
長くなりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。
日常のちょっとした不調や悩み~難病と呼ばれるものにまで幅広く対応するのが東洋医学です。
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